モテ始めたモリヒトと、ニコの焦り
TVアニメ『ウィッチウォッチ』第6話「縁結びの樹の下で」では、幼なじみの乙木守仁(モリヒト)が突如モテ期を迎え、若月ニコが戸惑います。公式あらすじによれば「モリヒトがいつの間にかモテ始めていてニコは焦っていた」という状況です。本話の舞台は学校の遠足で訪れた不達山(ふたつやま)で、有名な“縁結びの樹”の言い伝えが鍵となります。樹の下で男女が昼食を共にすれば結ばれるという噂を聞いたカンシ(風祭監志)は、ニコに守仁への告白をそそのかします。原作は『SKET DANCE』や『彼方のアストラ』で知られる篠原健太先生の人気漫画で、アニメ制作はビブリーアニメーションスタジオが担当しています。2025年4月から2クール連続で放送中であり、ニコ役は川口莉奈さん、守仁役は鈴木崚汰さんなど豪華声優陣が顔を揃えています。本エピソードでは、魔法と恋愛要素が混ざり合ったコメディタッチの物語が展開し、ニコの初々しい恋心と守仁の純真な反応が楽しめます。
ニコとモリヒト、すれ違う想い
第6話冒頭から、守仁のクラスに突然モテ期到来の異変が起こります。普段は無口で無表情な守仁が、帰宅途中や校内で女の子たちからサインや告白を受けていく様子が描かれます。その姿に気づいたニコは顔を赤らめたり、慌てたりして心中穏やかではありません。監志(カンシ)は、ニコの恋する気持ちにいち早く気づいており、独特の冗談混じりの援護(ウィングマン)でニコを励まします。カンシの目線で「ニコが焦っている」と茶化されつつも、ニコは守仁への想いを隠し切れません。
カンシはそんなニコをからかいながらも励まし、特訓を提案します。ニコはカンシの風魔法を借りて髪をくるくるとなびかせるなど“お姫様風”な作戦を試みますが、強風で廊下に落ちていた女生徒の体重・バストサイズの伝票が舞い上がるハプニングに。守仁は面食らいながらもその伝票を拾い集めてあげるなど大活躍し、結果としてさらにクラス中の女子たちから好感を集めてしまいます。ニコは「何でこんなにうまくいくのよ…!」と悩みつつも、守仁の意図しない優しさに触れ、ますます胸が高鳴ってしまうのでした。
縁結びの樹伝説と学園遠足の展開
遠足当日、学校の生徒たちが山頂の縁結びの樹を目指す中、予想外のドタバタ劇が巻き起こります。先に到着していた乙木一歩を筆頭に、守仁のクラスメイト・イシイが「Love!森仁クン」のプラカードを掲げて群衆を操り、女生徒たちは恋愛お守りを受け取ろうと列を成していました。混乱したニコは「お願いだから恋の神様扱いは勘弁して…!」と叫びながら逃げ回り、結果、魔法で身を縮めてしまったニコが守仁のポケットにひょっこり入り込む珍事が発生します。一方、守仁に片思い中の伽羅(カラ)や久々実(ククミ)は、カンシの風魔法でうまく別ルートに誘導され、喧騒から遠ざかってしまいました。結果として、校内でもひっそりと指折り数えるほどの小さな樹が本当の縁結びスポットだと判明し、そこにたまたま居合わせた優しい老夫婦が真実を教えてくれます。こうしてニコと守仁は、まさに樹の下で“運命のランチ”を共にすることに成功します。目に見えない意思の糸に導かれたような展開に、思わず感嘆の声が上がることでしょう。
クライマックス:告白寸前のミラクル
女子から告白される守仁を見てショックを受けたニコは、思わず「どうしよう…」と胸が張り裂けそうになります。しかし諦めかける守仁の言葉から「守仁にも心の中に大切な人がいる」と気づく瞬間が訪れます。慌てて守仁を見上げたニコに、照れくさそうに守仁が「お前のことは重くないよ」と優しく言いながら、ぴょんと抱き上げるサプライズが発生。春の柔らかな日差しの中、満開の桜を背に二人の距離は一気に縮まり、胸がキュンキュンする瞬間が生まれます。
続くカットでは、真の縁結びの樹の下で二人仲良くお弁当を広げ、ほのぼのと物語が締めくくられます。
守仁の飾らない言葉と優しい行動には、視聴者の胸も思わずキュンキュンさせられます。シーン中の作画は非常に繊細で、ニコの頬を赤らめる表情や守仁の照れた笑顔も丁寧に描かれていました。抱き上げられるニコを見つめる守仁の眼差しからは、まさしく彼女を“大切な人”として想う気持ちがあふれており、セリフなしでも十分に伝わってきます。こうして二人だけの時間が満たされる中、風祭監志のおじいさん役(Tetsu Inadaさん)と奥さんのサプライズ登場で、優しくストーリーは締めくくられます。
作画・演出の見どころ
第6話の作画・演出面も非常に個性的でした。実は、この回はビブリーの大島縁(緑)氏が絵コンテ・演出・作画監督・原画を一手に引き受ける“1人原画回”になっており、いつものシーンとは違ったタッチが随所に現れています。視聴者からは「ニコの顔が丸くなった」「表情のデフォルメが強い」といった感想が見られ、ツイッターや掲示板では賛否が分かれました。一方で、ニコの戸惑いや守仁の真剣な表情など感情描写の緻密さを評価する声もあります。背景美術も豊かで、抱き上げシーンに映える満開の桜吹雪や、山頂のさわやかな景色は絵画のように美しく描かれていました。従来のスタイルとはまた違う、この大胆な作画変更も第6話の大きな見どころです。
第6話の総合感想・解説
総合的に見て、第6話は笑いときゅんとが詰まった素晴らしいエピソードでした。原作にも描かれた守仁の素朴な優しさが改めて強調され、二人の絆を感じさせます。ニコの不器用な恋心は確実に守仁に近づいており、彼女の表情や仕草一つ一つから目が離せなくなります。なお、ニコの幼少期にまつわる伏線(実は守仁と心の奥で強く結ばれているエピソード)は、今後回収されることが期待され、原作ファンにはおなじみの要素です。
また、クラスメイトたちの賑やかな会話やカンシと伽羅(カラ)のもどかしい関係など、サブキャラの細かな動きも楽しめました。第7話ではカンシのバイト日記的エピソードが予告されていますが、この恋物語はまだ始まったばかり。今後の展開にますます目が離せません。