アニメ『薬屋のひとりごと』第4話の感想と解説記事です。
第4話 考察も交えつつ、ストーリーの詳細を振り返りながら見どころを語っていきます(原作既読の方もアニメ勢の方もネタバレご注意ください)。
考察好きなファン目線で、第4話「恫喝」の魅力を余すところなくお伝えします!
帝の勅命で猫猫が梨花妃を治療!第4話あらすじと全体の感想
アニメ『薬屋のひとりごと』第4話「恫喝」は、帝からの直々の頼みにより猫猫(マオマオ)が梨花妃(りふぁひ)の治療に挑むエピソードです。
物語冒頭、猫猫は翡翠宮(ぎょくようきゅう)から水晶宮へとやって来ますが、本作のアニメ版を視聴した私の第一印象は、侍女たちの冷たい視線と態度に圧倒されたことでした。
梨花妃付きの侍女たちは、玉葉妃(ぎょくようひ)付きの下働きである猫猫を「下賤な娘」と見下し、彼女が用意した食事や治療をことごとく邪魔します。
序盤からピリピリした空気でハラハラしましたね。
そんな中で登場したのが帝です。前回まで謎めいた存在だった帝が姿を現し、皇帝から「梨花妃の容態が悪い。しばらく様子を見てくれないか」と猫猫に直接勅命を下す展開には驚きました!
帝自ら口にすることで事実上「何とかして治せ」という強い命令となり、猫猫も緊張しつつ引き受けます。
普段高みにいるはずの帝が妃を案じてフットワーク軽く動く様子に、個人的には好感度が上がりました。帝は無愛想なイメージでしたが、実は妃たちをきちんと気遣う人なのかもしれませんね。
肝心の梨花妃はというと、寝台に横たわった姿は見るも痛々しく、顔色も悪く完全に衰弱していました。吐血こそしていませんが「このままでは命が危ないのでは?」と思わせるほどで、画面越しにも危機的状況が伝わってきます。
猫猫が緊張しながらお粥を口に運ぶシーンでは、下手をすれば猫猫の首が飛びかねない(文字通り処刑されかねない)のでドキドキしました。
いつもは飄々としている猫猫ですが、さすがに今回は真剣そのものです。命の危機を前に、彼女の薬師としての責任感が感じられましたね。
無知な侍女たちの妨害と猫猫の推理
猫猫が梨花妃にお粥を少しずつ与えてみたところ、わずかに飲み込もうとする意思を感じ取ります。まだ完全に生きる気力を失ったわけではないと判断できて一安心…と思いきや、ここでまた侍女たちが横槍を入れてきました。
彼女たちは「他所の宮の小娘に大切な妃様の世話は任せられない」といったプライドと先入観から、猫猫のすることなすことに反発します。挙句の果てにはお粥のお椀をはたき落とすような乱暴までして、看病の邪魔をする始末です。正直、この場面では私も「なんて非常識で無知なんだ…!」と怒りが湧いてしまいました。
しかし猫猫は冷静でした。ただ感情的に怒鳴り返すのではなく、自分の推理で状況を分析します。実はお粥を与えた際に、猫猫は梨花妃の口元に付いた白い粉に気付きました。
「ん?梨花妃の顔、化粧してる…?」と。
不審に思った猫猫がそっと指ですくって確かめると、それは見覚えのある白粉(おしろい)。
しかも、以前に使用禁止となった毒入りの白粉だったのです。
この瞬間、猫猫の推理力が冴え渡ります。彼女は瞬時に「梨花妃様の体調不良の原因はこれだ!」と察したのでしょう。
原作ファンにはおなじみですが、猫猫は薬や毒に関する知識が飛び抜けて豊富です。
第4話では、その知識と洞察力が遺憾なく発揮されましたね。
実はこの毒白粉、かつて宮中で使用が禁じられた曰く付きの代物でした。
おそらく鉛などの有害な成分が含まれており、長期間肌に塗れば体調を崩すのは必至。
さらに恐ろしいことに、梨花妃は以前、この白粉が原因で帝との子を流産してしまった可能性が示唆されています。帝の御子たちの連続死という難事件を猫猫が解決した直後(第1~3話)にも関わらず、梨花妃の不調が続いていた理由がここで判明しました。
なんと、侍女たちが「妃様には美しくいてほしい」という一心から、こっそりと禁じられた白粉を使い続けていたのです。無知ゆえの善意が裏目に出るとはまさにこのことで、猫猫もこれには激怒必至です…!
毒白粉の発覚とマオマオ静かなる怒りの迫力
マオマオが侍女の顔を鷲掴みにして静かに怒るシーンは、第4話のハイライトの一つです。猫猫は問題の侍女に詰め寄り、「少しお仕置きが必要だね…?」と低い声で呟くと同時に、その侍女の髪を乱暴に掴み上げました。突然の豹変に他の侍女たちも凍り付き、部屋中がシーンと静まり返ります。猫猫は構わず箪笥を開け放ち、中から隠されていた例の毒おしろいを発見。
躊躇なくその白粉を侍女の顔面にぶちまけて「誰が自分の子を殺した毒を喜ぶんだよ…!」と静かに、しかし凄みのある声で叱責しました。
普段は無表情でおとなしい猫猫が見せた鬼気迫る怒りに、私も画面の前でゾクッとしてしまいました! 声を荒げるでもなく、低く押し殺したトーンで放たれる怒気は逆にリアルで怖い…。
侍女たちも完全に威圧され、主犯格の侍女は泣きじゃくる始末です。
それでも猫猫は手加減しませんでした。「お前たちの無知と思い込みが梨花妃様を殺しかけたんだよ」とでも言わんばかりに、彼女たちに現実を突きつけます。
この静かなる恫喝シーン、本当に迫力がありましたね!
結果として、侍女たちは猫猫の怒りに恐れをなし、大人しく言うことを聞くようになります。
もちろん後で大ごとになれば猫猫自身も打ち首(極刑)ものですが、幸いそこは壬氏(ジンシ)が影からうまくフォローしてくれました。
侍女長には厳重注意と一時的な謹慎処分が下り、白粉を回収し損ねていた宦官には鞭打ちの罰が与えられたようです。多少荒療治でしたが、猫猫の行動でようやく治療の妨げとなっていた元凶が取り除かれたわけです。まさに暴力は全てを解決する…!? なんて冗談も浮かびましたが、猫猫の覚悟と正義感には胸が熱くなりました。
猫猫の献身的な看病と梨花妃への秘密のアドバイス
毒の元を断ったあとは、猫猫による本格的な看病シーンが描かれます。
ここでは猫猫の薬師としての有能さと献身ぶりが光りましたね。
彼女は壬氏に頼んで即席の蒸し風呂(サウナ)を作らせ、梨花妃の身体から毒素を汗とともに排出させるお手伝いまでしています。さらに壬氏の部下である高順(こうじゅん)から差し入れられた肉まんに大喜びしつつ夜通し看病を続け、疲労で目の下にクマを作りながらも懸命に尽くす猫猫…。その健気さに「がんばれ!」と声援を送りたくなりました。途中で倒れ込むように寝てしまった猫猫の頭を、梨花妃が優しく撫でる描写にはホロリとさせられます。梨花妃も、心から猫猫に感謝し信頼を寄せ始めたのでしょう。
時間経過描写はありませんでしたが、おそらく治療には数日から数週間かかったようです。物語上ではあっという間でも、猫猫の奮闘の積み重ねで梨花妃はついに健康を取り戻しました! 一時はどうなることかと思いましたが、本当によかったです。回復後、庭を散策できるほど元気になった梨花妃の表情には、生気が戻っていましたね。そんな彼女と別れ水晶宮を辞する際、猫猫は梨花妃に向けて何やら意味深な“助言”を囁きます。
その内容は視聴者には具体的に明かされませんでしたが、描写からして察しの良い人にはピンと来たのではないでしょうか。猫猫が梨花妃の胸元にチラリと視線を落とした後、耳元でそっと囁くと、梨花妃は思わず頬を赤らめていました。「玉葉妃にはない魅力を活かす秘策」とでも言うのでしょうか…さすが花街育ちの猫猫、まさかそんな大人の知恵を伝授するとは! 私もこのシーンには「一体何を教えたの!?」とニヤニヤしてしまいました。おそらく猫猫お手製の秘薬か、あるいは夜の営みに関する秘伝の技なのか…想像が膨らみますね。
いずれにせよ、このアドバイスのおかげで梨花妃は新たな希望を得たように感じました。実際、物語のラストでは帝が梨花妃に付きっきりで寄り添っている様子が描かれ、帝の彼女への愛情が再燃したことを示唆しています。猫猫は今回の功績で玉葉妃だけでなく梨花妃という強力な後ろ盾も得ました。これで後宮での猫猫の立場はかなり安泰になったのではないでしょうか。
壬氏のキャラ魅力と隠れた優しさに注目
第4話では、美しき宦官・壬氏のキャラクターにも改めて魅力を感じました。いつもながら端正な容姿と優雅な物腰で、その場にいる女性たちの注目を一身に集めてしまう壬氏。今回も猫猫に付き添って水晶宮を訪れるや否や、敵対心むき出しだった侍女たちが一瞬でメロメロになるというコミカルな場面がありましたね。煌びやかなオーラをまとって微笑む壬氏に、侍女たちが頬を染めてうっとりする様子は思わず笑ってしまいました。猫猫が心の中で「うわ…出たよ、美男の無駄遣い」とドン引きしていたのも納得です(笑)。
しかし壬氏の魅力はそれだけではありません。壬氏のキャラ魅力の真髄は、単なる美形ぶり以上に彼の聡明さと優しさにあります。彼は決して表立って功績を誇るタイプではありませんが、要所要所で的確なサポートをしてくれます。例えば序盤、侍女たちの妨害に苦戦する猫猫に対し、壬氏はさりげなく声をかけ彼女の背中を押しました。耳元で何か囁かれた猫猫が「げっ」と嫌そうな顔をしていたのはお約束ですが、そのおかげで彼女は梨花妃への触診と食事介助を続行できたのです。また、猫猫が侍女を恫喝する場面でも、後で揉め事にならないよう陰で根回しをしています。罰すべき人物(侍女や怠慢な宦官)はきちんと罰しつつ、猫猫に累が及ばないよう処理するあたり、有能で抜け目ないですね。
さらに看病中には、壬氏の差配で猫猫に食料や設備が提供されました。前述した蒸し風呂の設置もそうですし、高順が差し入れた肉まんも壬氏の心遣いでしょう。彼なりに猫猫の献身を労おうとしているのが伝わり、心がほっこりしました。そんな気配り上手なところも含め、今回の第4話では壬氏の株が個人的に急上昇です! 表では飄々として掴みどころのない人物ですが、陰ではしっかりみんなを見守っている…このギャップこそが彼のキャラの魅力ではないでしょうか。
原作勢の間では「壬氏はただ者じゃない」「実はとんでもない秘密があるのでは?」と以前から噂されていますが、アニメ勢の皆さんも第4話までにその片鱗を感じ取ったのではないかと思います。これ以上はネタバレになるので深く言及しませんが、壬氏というキャラは物語の鍵を握る重要人物です。美男子キャラとして人気なのはもちろん、今回のように縁の下の力持ち的な活躍も見せてくれて、ますます目が離せませんね。
第4話の考察:テーマと今後の展開予想
第4話「恫喝」を通じて浮き彫りになったテーマの一つは、「無知の恐ろしさ」ではないでしょうか。善意であっても知識が伴わなければ、大切な人を傷付けてしまうことがある――侍女たちの過ちからはそんな教訓が読み取れます。彼女たちは梨花妃を思うあまり、自分たちの正しいと思うこと(=妃には常に美しくあってほしい)を疑いませんでした。しかし結果的にその行為が主の命を危険に晒したのですから皮肉です。まさに「自分の正しいは本当に正しい?」と問いかけたくなるエピソードでしたね。幸い猫猫という博識な存在がいたおかげで悲劇は未然に防がれましたが、もし彼女がいなかったらと思うとゾッとします。
一方で「知識は力」ということも強く感じました。猫猫の薬学知識と推理力があったからこそ帝の御子連続死の謎も解けましたし、梨花妃の命も救えました。普段は控えめな彼女ですが、いざというときに周囲の身分差別や反感をものともせず、自分の信じる正解を貫く姿がとても格好良かったです! 第4話の猫猫は、まさに信念のヒロインでした。
さて、物語はここからどう展開していくのでしょうか。考察好きの筆者として、いくつか今後のポイントを予想してみます。
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後宮内の勢力図が変化? 猫猫が玉葉妃・梨花妃両方から信頼を得たことで、彼女を巡る立場はかなり安定しました。ただしそれは同時に他の妃や侍女たちから嫉妬を買う可能性もあります。第4話で痛い目に遭った水晶宮の侍女たちは改心しましたが、別の勢力が猫猫を目障りに思う展開もありそうです。後宮ならではのドロドロした権力争いに、猫猫が巻き込まれないか少し心配ですね…。
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梨花妃は再び御子を授かるのか? 猫猫が囁いた“秘策”により、帝が梨花妃にべったりになっていましたが、この先梨花妃に子供が生まれる可能性も高まったのではと感じます。かつて失った我が子の無念を晴らすためにも、元気になった梨花妃にはぜひもう一度チャンスを掴んでほしいです。その時はまた猫猫が活躍する場面もあるかもしれません。
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壬氏の真意とは? 相変わらずミステリアスな壬氏ですが、彼が猫猫に目をかける本当の理由や、彼自身の素性についても今後徐々に明かされていくでしょう。第4話までの段階で、壬氏はかなり自由に宮中を動いて帝とも近しく接しています。その姿から「もしかして帝の信頼厚い貴人なのでは?」と推測する視聴者もいるようです。果たして彼の正体や目的は何なのか、引き続き注目ですね。
最後に、個人的な感想を一言。
第4話は終始ハラハラドキドキの展開でしたが、その分カタルシスも大きく、とても満足度の高い回でした! 猫猫の怒涛の活躍と壬氏のスマートな支援、そして梨花妃の救済という胸熱展開に思わず拍手です。作画も猫猫の怒りのシーンで気合が入っていて迫力満点でしたね。エンディングを迎える頃には「薬屋のひとりごと最高!」とテンションが上がってしまいました。
今後も原作ファンとしては気になる伏線が目白押しですが、アニメ視聴組の方々と一緒に謎解き考察を楽しんでいきたいと思います。
それでは、第5話以降も引き続き目が離せませんね!来週の展開も待ち遠しいです。